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キユーピーが神戸工場の見学施設を5月よりグランドオープン

キユーピーは3月23日、神戸工場見学施設のプレス向け内覧会を実施した。神戸工場は昨年10月に一部の稼働を始めた新工場で、今春からの全面稼働に合わせて、5月1日より神戸工場の見学施設を一般公開する。
 内覧会では始めに、森佳光執行役員(広報CSR本部本部長)が挨拶し、「ようやく神戸工場の見学施設もほぼ整ってきた。当社では工場見学をオープンキッチンと呼んでいるが、大切な役割としては、安心・安全なものづくりと、キユーピーならではのものづくりの考え方を伝えることがひとつだが、もうひとつ大切な役割としては食育の発信基地であることだと思っている。マヨネーズやキユーピーといった自己主張を(見学施設では)していない。食育の意識、野菜の摂取の大切さ、食に対する楽しさ、興味を育んでもらうための導入として作っている。ラインを間近に見て、その迫力を感じてもらうことで、さらに食育に繋がればと、そんな使命を持って神戸工場の見学施設を作った」と見学施設の狙いを説明した。
 続いて、神戸工場のコンセプトなどについて、上釜利雄工場長は「約5年前から若手を中心に、将来のキユーピーの工場はどうあるべきかというプロジェクトの中で、神戸工場のコンセプトやライン工程を作りあげてきた。本来であれば200名以上が携わる(規模の)ラインだが、現代の新しい技術や考え方を取り入れて、約88名の省力化・自動化の設備ができあがった」と述べた。キユーピーのマヨネーズの主力工場としては約半世紀ぶりの竣工ということで、環境に配慮した省エネ設計や、できる限りの新技術を導入し、将来を担う若手中心のプロジェクトで完成したという。工場見学を通じた食育、キユーピーのファンづくりに繋がるイベントを行い、地域貢献とともに食の安心・安全を伝えていく。
 神戸工場の見学施設は、食とキユーピーに関する知識を学べる“展示ゾーン”や、臨場感たっぷりに製造工程を見学できる“製造工程見学”、そしてマヨネーズとドレッシングの試食や食事の体験ができる“食の体験ゾーン”から構成されている。
 製造工程見学では、案内スタッフの解説を聞きながら、最新技術を導入したマヨネーズやドレッシングの製造ラインを臨場感たっぷりに見学できる。マヨネーズの充填機は、これまでの工場では1分間に最大230本の充填能力だったが、神戸工場では最大400本に充填できる。神戸工場はキユーピーグループの西日本の中の主力商品を担うマザー工場としてより高速な充填機を導入することにより、安定的ですばやく商品を作ることが可能になっている。
 充填を終えたマヨネーズのボトルは、ラッピングマシーンでフィルム包装後、ロボットにより自動的に箱詰めされ、その様子も間近に見ることができる。充填機が400本/分能力であるのに対し、包装ラインは200本/分のラインを2つ備えている。箱詰めされたマヨネーズは、最後に重量チェックなどを行い、ロボットで積みつけられる。
 こうしたマヨネーズの製造工程をひとつ上の中2階から俯瞰することもできるようになっている。また、製造現場各所に設置されたカメラの映像をズームアップできるタッチパネル式モニターが2台あり、箱詰めの様子やロボットの動きをより間近に感じることができる。
 マヨネーズラインの真上に設置された空中通路“マヨデッキ”は製造工程見学の最大の見どころとなっている。マヨデッキへ続くドアを開けると、エアシャワーを体験できる空間も用意されている。マヨデッキの中には、集音マイクとスピーカーがあり、製造現場の従業員と話すことができる。様々な角度からマヨネーズを製造する様子を見られ、工場内にいる気分が味わえる。

 神戸工場の主な製造品目は「キユーピー マヨネーズ」や「キユーピーハーフ」、「キユーピー 深煎りごまドレッシング」などのドレッシング類といった家庭用調味料の基幹商品で、生産能力は年間約7万4,000トンとなっている。
 神戸工場の見学は完全予約制で、同社ホームページ内の神戸工場オープンキッチンサイト(https://www.kewpie.co.jp/know/openkitchen/kobe_01.html)および予約専用電話(078-411-6015、休業日を除く9:30~12:00、13:00~16:00)で受け付けている。