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逆風のなか好調続くランクセス
2020年度は日本で新製品を発売開始

 特殊化学品メーカーのランクセスは、4月15日に、2019年度の事業活動及び2020年度の活動計画に関するオンライン記者説明会を行った。今年1月に代表取締役社長に就任した張谷廷河社長は、まず初めに、世界で感染拡大が続く新型コロナウイルスに関連した同社の状況について説明した。「中国拠点では1月末からオフィスの閉鎖などを含む措置を行ってきたが、4月15日現在は中国のすべての製造拠点で稼働を再開している。また、グループ全体では2月中旬に対策本部を立ち上げ、従業員の衛生管理の徹底等を進めている。日本法人では、1月末から危機管理チームを立ち上げ、在宅勤務の推奨を含む特別措置を実施。従業員、パートナー企業の安全を最優先事項として、引き続き必要な措置を実施していく方針」だという。
 続いて、2019年度の業績内容についての報告に入った。張谷社長は「厳しい経済状況にも関わらず、成長軌道を推進することが出来た」と総括した。2019年度のランクセスグループの売上高は68億200万ユーロ(約7,900億円)で、特別項目を除いたEBITDAは前年比3%増の10億1,900万ユーロ(約1,184億円)となった。継続事業による純利益は2億4000万ユーロ(約279億円)と、前年比14%減となったことについて「有機金属事業の再構築に関する特別費用計上によるもの」だと説明した。EBITDAマージン目標においても堅調に推移し、設立以来初の15%を達成している。
 また、2014年以降進めてきた事業再構築について、2019年度は有機金属事業の再構築完了、合弁会社カレンタの株式40%の売却、皮革用化学品ビジネスユニットの売却推進、ブラジルのバイオサイド(殺生物剤)メーカーの買収など、さらなる事業再構築の推進に成功したことを報告した。