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植蛋協が2018年度技術セミナーを開催

 日本植物蛋白食品協会は2月6日、東京・中央区の製粉開会において「2018年度日本植物蛋白食品協会技術セミナー」を開催した。
 当日は、「ゲノム編集による品種改良」(農業・食品産業技術総合研究機構の四方雅仁上級研究員)、「遺伝子組み換え表示見直しの背景と今後の課題」(湯川食品科学技術士事務所の湯川剛一郎所長)という2題の講演が行われた。
 四方氏は、最初に農研機構の概要を紹介したあと、農作物の品種改良について説明した。農作物の育種手法として、交配育種、突然変異育種、遺伝子組換え(GM)育種、ゲノム編集育種の4種類がある。ゲノム編集育種と突然変異育種を比較すると、突然変異は、変異が起こる場所を制御できないが、ゲノム編集は狙った遺伝子に変異を起こすという利点がある。突然変異は、さまざまな性質の変異体が得られるのに対して、ゲノム編集は、欲しい性質の変異体が効率よく得られる。
 また、GMとゲノム編集との違いは、GMは、その生物が本来持っていない性質を足すことや、交配できないような生物種の遺伝子を利用することができるのに対して、「ゲノム編集は、その生物が本来持つ遺伝子に変異を起こすことができる。狙った遺伝子を改変できるのがゲノム編集の利点である」と強調した。