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かどや製油㈱2019年3月期第2四半期決算説明会
ゴマ油の販売は家庭用が好調で牽引役に

 かどや製油は 11月19日、東京・中央区の野村證券日本橋本社で2019年3月期第2四半期決算説明会を開催した。当期の連結業績は、売上高173億9,600万円、営業利益29億700万円、経常利益30億3,100万円、四半期純利益20億9,800万円となった。2018年度第4四半期からカタギ食品を連結したため、前年との比較は示していないが、5月に発表した業績予想に対して、今第2四半期は売上高はわずかに下回ったが、各利益はいずれも上回っている。
 このうち、ゴマ油の売上高は前年比1.2%増の124億5,900万円で、その販売数量は家庭用1.8%減、業務用3.0%増、輸出用0.6%増となり、合計では1.2%増だった。一方、ゴマ油の販売価格は、家庭用1.4%増、業務用0.4%増、輸出用0.3%減となった。食品ゴマについては、カタギ食品の子会社化により販売数量が増加し、売上高は44億7,800万円(前年第2四半期の単体実績25億3,000万円)となった。
 通期見通しは、売上高345億円(前年比12.7%増)、営業利益42億円(同17.0%減)、経常利益42億円(18.2%減)、当期純利益28億6,000万円(同17.4%減)とこれまでの予想を変えていない。しかし、下期は原料環境の高騰が見込まれている。原料価格は海外におけるゴマの作付けが良くない中、過去に持っていた安値原料から現状の原料価格は上昇傾向にある。相場の大きな変動要因となる中国のゴマ輸入量は、難しい米中関係を反映してか、4月以降未発表だが、1~3月の輸入量は37万8,000トンで、今後も旺盛な買い付けが見込まれている。こうした中で、同社は販売数量において、家庭用・業務用ともに数量を確保する方針。引き続き的確な拡売条件費等を使いながら、コストについては増えていくと予想している。
 経営展望を説明した小澤二郎社長は、下期のゴマ油の販売計画について、まず家庭用は「上期から引き続き消費者キャンペーン=宝塚歌劇に招待する企画を実施している。また、7月から濃口の200gの商品をマーケットに導入し拡売に努力している。ドラッグストア等、新規販路が大きく拡大している。販売数量・金額ともに増加を考えている」。一方、業務用は「原料価格や物流費が上昇しており、下期に値上げを実施したい。また、従来業務用のC&Cで販売していた600g商品が一般のスーパーで積極的に販売するかたちにしている。中食、CVS惣菜等への売り込みも強化しているが、値上げを実施するから、販売金額・数量ともに少し減少する心配をしている」という。輸出用は「引き続き拡売に努力し、通期で数量を伸ばしていく。新規にPBの契約がきており、実際に納入段階に入ると思う。北米市場では餃子や焼売などに使われており、新しい需要になればと考えている。欧州市場も積極的に開拓しているので、少しずつ成果が出てくる。販売金額は前年並みだが数量は増加する」との考えを示した。
 また、千葉県袖ケ浦市に建設中の第2工場については「業務用のゴマ油の製造ラインを作るかたちで、もう基礎工事は終わって、今年末くらいには建物の建設に入っていく。来年11月頃には生産の目途が立っているのではないか。小豆島工場については、老朽化していることやフル生産で一杯にきており、リニューアルして効率化していきたい」との見通しを語った。