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日油協・八馬会長「環境変化対応能力を上げることが重要」と
中長期のコスト構造を織り込んだ判断の必要性言及

 日本植物油協会は9月20日、都内で八馬史尚会長(J-オイルミルズ社長)と油脂業界紙記者団との懇親会を開催した。
 八馬会長は冒頭挨拶で、平成30年7月豪雨や北海道胆振東部地震など異常気象や自然災害を受けた方へのお見舞いの言葉を述べ一日も早い復旧。・復興を祈念した上で「異常気象という言葉が毎年使われる時点でもう異なる状態の異常ではなく、定常化している。ということでは、これは日本だけでもないし、今後さらに世界的な気候変動が植物油業界にとっても非常に大きな影響を与えることは、中長期あるいは短期においてもリスク要因として想定する必要性を改めて感じている」と語った。
 また、米国が中国に対する第3弾の制裁関税発動すると発表するなど、米中貿易戦争が世界中の関心を集める中で「特に米国大豆はわれわれに関わるところであるが、大豆農家のダメージは大きく、米国農務省は緊急対策として支援策を講じる状況にある。いずれにせよ、こうした米中の貿易紛争の動向は、今後の油糧原料動向に影響を与えるばかりではなく、日米FTA交渉にも大きな影響を与えることが想定されるところで、今後とも注視していく必要がある。われわれは、先ほどの気候変動と合わせて目まぐるしく動くこの世界の政治動向にも注意を払い、各企業として、また業界として環境変化対応能力を上げていくことが大変重要である」との認識を示した。
 直近の植物油業界については「これまでの業界および加盟企業各社の尽力もあって、植物油に対する理解やお客様の印象は大きく変わってきている。油の健康価値が認識され、様々な油種の良さを各社がコミュニケーションしていることによって、末端での消費は概ね堅調に推移している」と評価する一方、「原料面では、大豆原料とミール価格の関係で、今年度前半は搾油採算も比較的好調を維持できたところだが、一方ではナタネ原料の高止まりとミール安でナタネの採算については厳しく、さらに今後、不透明さと厳しさを増してくるものと考えている。また、植物油の市場を考えた場合に、従来の量販店の商況環境は厳しい一方で、ドラッグストアの伸びやECの小売をはじめ、流通環境の変化は大きくなってきている。また、業務用の世界においても、多くの需要家の話を聞くと、インバウンド等で一部活性化しているという話がある一方で、全体的には人手不足・人件費の上昇、物流費の上昇、原材料の高騰といった課題に直面しているといった話を聞く。同様にメーカーおよび流通業界の多くは、物流費の上昇をはじめ人件費の高騰等に直面しており、メーカーとしても技術に裏打ちされた付加価値の高い商品開発の提供など、協力して課題の解決に取り組んでいく必要性が高まっている。これまで油脂の価格変動については、原料・ミール相場起点の話が主体だったが、人件費・物流費等、中長期のコスト構造を織り込んで判断していく必要があるステージと認識している」と述べた。