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「ファーファfree&」シリーズを10月に発売
こだわりのNBと高級PBを含め拡大路線へ

 NSファーファ・ジャパンは6月13日、同本社で2018年下期(8~2月)新商品発表会を開催した。
 発表会の冒頭に、5月末の株主総会を終え、就任から3年目を迎えた里村治社長が経営戦略について説明した。2年前の就任直後に商品の特売を辞め、売り上げよりも利益重視を打ち出して経営方針を大きく転換し、立て直しを図ってきた。「特売から降りると、大きな犠牲があった。今だから言えるが、機械が回らない、工場で人が余る、もちろん売り上げは赤字で、縮小均衡の最たるものになった。メーカーはやはりモノを作らないと元気が出ない。そういう中で、生き残り戦略に2年間、手を打ってきた」と振り返る。しかし、「∨字回復を狙っていた。2016年度の上期・下期、17年度上期までは∨字の底まで行ったが、昨年9月から今年2月の17年度下期は漸く利益の取れる体質に変わった」という。
 商品とチャネル、この2つのコントロールがその鍵になった。商品面では、まず特売から降りたが「そこで今までと同じ商品を作っていては必ず大手に負けるので、違う物差しで一生懸命開発してきた」というように、ニッチでも付加価値が評価される商品を的確なチャネルで展開するリミテッド戦略に軸足を置いたことが奏功している。
 「今期に入り3、4、5月と順調に上向きできている。経営から見て一番大きいのは損益分岐点の改善。売り上げはピーク時に比べて半減したが、利益が出る体質に変えた。レイオフとリストラは一切していない。借金も増えていない。そうした中で株主や社員、顧客、ステークホルダーに迷惑をかけない形で体質改善できた2年間だった」と里村社長は過去2年間を総括した。
 そして「2018年度はいよいよ増収増益にということで、中期経営計画を策定した。10年先のあるべき姿も社内で明示した。勝算は十分にある。この2年間にただ潜伏しただけではなく、∨字回復した上昇のきっかけの準備を2年間かけてしてきた」というように、描く飛躍の実現に向けて具体的に歩を進める年としていく考えだ。
 将来的に「今のマスマーケットは消える」というのが里村社長の持論だ。高級帯の柔軟剤は100億円カテゴリーに成長するほど伸びてきた。しかし、衣料用洗剤は粉末から液体、濃縮液体へと剤形は変化したものの、オーラルケア・デンタルケアのように高付加価値品がその価値に見合う価格でしっかりと評価される市場にまでは至っておらず、競争にさらされる環境が続いていると里村社長は見ている。既存のチャネルもこうした環境の中で生き残るとは考えておらず、少子高齢化が進む中で自分が欲しいものを欲しいチャネルで購入するスタイルがさらに広がることを想定し、「お客さんに喜ばれ、目で見て、触って、匂いを嗅いでわかる、はっきり差別化をできる商品を作っていきたい。そういう価値観に分かれてくるお客さんがどこで買うのか。様々なニーズがあって、それに応じて購入場所も分かれてくる。人の集まる場所はどこか、業態はどこか、これがもっと細分化してくるはずで、そこに対してしっかり供給していく」と商品、チャネル戦略の両軸で取り組む考えを示した。

 2018年下期の商品計画については、遠藤章生マーケティング部部長が説明した。「暮らしに対する価値観を軸に、それぞれに相応しい商品を出す」というように、手間暇をかけて洗濯することが好きな層に向けた「ファーファ ファインフレグランス」、洗濯は苦手だけど、子供のためにという使命感を持つ層には「ファーファ トリップ」、洗濯よりも他にしたいことがあるこだわり消費派には「ファーファ ココロ」を展開している。洗濯に関して8つのクラスター分けを行い、ミーハー層や無関心層を除いてそれぞれ10%程度いる各クラスターに合わせた商品を販売していこうという考えが根底にある。
 2018年3月には「ファーファ トリップ」をリニューアルし、本体ボトルを廃止してレフィルのみの品揃えとする一方、空ボトルを通販で販売したり、空ボトルとレフィルを組み合わせた企画品を導入してユーザーの維持・拡大を図っている。
 「ファーファ ココロ」は衣料用洗剤・柔軟剤・台所用洗剤の3カテゴリーに跨って商品展開し、こだわり消費が求めるデザインテーマボトルでトライアルを促進している。
 2018年10月には、無香料・無添加(香料、着色料、蛍光剤、漂白剤無添加)で基本機能に特化した「ファーファfree&(フリーアンド)」シリーズを発売する。香りがないことと同時に、洗剤は濃縮液体タイプで洗浄力・抗菌防臭力に優れ、柔軟剤は圧倒的な柔らかさといった必要な基本機能だけを重視している。洗剤は本体500ml(税抜448円)/詰替800g(同578円)、柔軟剤は本体500ml(同448円)/詰替480ml(同378円)で発売する予定となっている。