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味の素がクライアント・イノベーション・センターを開設

 味の素は6月1日、同社初のオープン&リンクイノベーション推進拠点となる「クライアント・イノベーション・センター」(以下、「CIC」)を、同社川崎事業所内に開設した。最新のICT技術を活用し、ビジネスパートナーと新価値・新事業を共創することにより、“健康なこころとからだ”“食資源”“地球持続性”における社会課題解決への貢献を目指す。6月1日に開催した開所式では、開設の趣旨や施設の概要について説明した。

 はじめに、西井孝明代表取締役社長が開会の挨拶に立った。西井社長は、「私どもは今年、創業以来108年となるが、その歴史そのものが常にこの価値共創の歴史であったかなと思っている」と述べ、川崎の歴史について、「ちょうど104年前、川崎事業所が川崎工場として、ここでうま味調味料『味の素』の製造をスタートした。実は、味の素は神奈川県出身の会社で、この川崎に工場を移したのは、いわゆるマザーファクトリーとして位置付けて、ここで本格的にうま味調味料『味の素』を世界的に打って出ようとしたわけだ」などと語り、その商品化に至るまでの苦労とともに、それらを実現してきた川崎市や神奈川県とのパートナーシップの歴史に想いを馳せた。
 そして、CICについては、「神経節ニューロンのような形を再現した。味の素の誇るハイテクノロジーを、世の中の様々なソリューションを持っている人、あるいはお客様の課題とダイレクトにこの場で結び付け、それによって、さらなる社会課題の解決に繋げていこうとする、まさにその拠点になるという位置づけの設備だ」と説明した。また、「昨今、イノベーションは、単に自分たちの技術が優れているということではなく、様々な価値観とか課題を抱えている人々が集まって、それにより接点が生まれて、それを何とか乗り越えてやろうというエネルギーから生まれていく」などと語り、殿町国際戦略拠点「キング スカイフロント」を有する川崎市、神奈川県とともに発展を遂げていくことを祈願した。

 来賓代表としては、川崎市の福田市長、神奈川県の首藤副知事が挨拶し、味の素の社会課題解決に向けた取り組みを高く評価すると同時に、さらなる発展への期待を示した。
 その後CICの施設概要について、児玉宏之常務執行役員が説明した。

〔味の素㈱ クライアント・イノベーション・センターの概要〕
▷施設名:クライアント・イノベーション・センター
▷所在地:神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号
▷構造:鉄筋コンクリート造2階建 一部鉄骨造
▷建築面積:1,244.60㎡(延床面積:1,211.72㎡)
▷開設時期:2018年6月1日
▷設備投資金額:約11億円