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日油協がIOCとの連携強化し、品質管理プログラムに正式参加

 日本植物油協会は、5月に開かれた国際オリーブ協会(IOC)総会において、IOCの品質管理プログラムへの参加が正式に承認され、今後、相互に密接な連携を図っていくことをこのほど明らかにした。
 2015年4月にIOCのアブデルラティフ・ゲディラ事務総長らが訪問し、オリーブ油の日本における現状に関して意見交換を行ったのを契機に、日油協とIOCとの間で継続的な情報交換が行われてきた。2016年12月には、IOCのJaime Lillo副総長らが日油協を訪問し、今後の対応に関する具体的な意見交換へと発展。今年3月、IOCは今後の日油協との連携強化を図るにあたり、IOCにおいてオリーブの品質を検討するIOC品質プログラムおよびIOC諮問委員会への参加を招請してきたという。
 こうした中で、日油協は、技術部会、表示部会の下にオリーブ油検討会を設置し、今後の方向性を検討した結果、日本のオリーブ油に関して信頼を確保するためには、明確かつ厳密な統一品質規格を持ち、主要生産国の大半が加盟しているIOCとも連携し、信頼ある企画・基準を設定することにより、国内流通品に対し一定の表示の秩序を作り、結果として粗悪品の流通を排除、防止する必要があるとの結論に達した。また、今後の日本におけるオリーブ油における信頼ある規格・基準システムの構築を進めるため、IOCとの連携の模索、CODEXへの対応、さらにこれらと車の両輪となる国内対応を講じていく必要があるなどの方向性が提示された。
 こうした検討を踏まえ、日油協としても今後、IOCとの連携を強め、適正な基準をクリアしたオリーブ油を提供していくにあたって、まずはIOCの品質プログラムに参加し、今後の具体的な連携を進めていく方向に歩みだした。
 5月23~26日にFAO(イタリア・ローマ)において開催された第105回IOC総会には、日油協から齊藤昭専務理事が出席し、討議の最後にIOCと日油協が連携を進める内容について紹介され、総会全体で承認された。これを受けて、齊藤専務は今回のIOCと日油協との連携調印に関する感謝の意を述べ、今後の具体的な連携進展に関する期待を表明し、IOC会長より歓迎の挨拶が行われたという。なお、会議冒頭では、IOC事務局から「今回の総会において、新たに日本が加わることになるが、この他にも中国、ブラジルなどからも加盟の希望が出ている」ことが紹介された。
 今後の展開として日油協は、IOC規格、CODEX規格をベースに、わが国におけるオリーブ油の定義・規格を検討していく考え。具体的には、オリーブ油自体の品質基準について、官能検査、理化学検査などの品質基準を検討する。規格への適合を確認できる環境整備の検討などを追求していくことが考えられるとしている。また、今後、本年末に開催が予定されるIOCの委員会などを通じて具体的な展開方向を検討していく。IOCとの連携強化により、日油協は、オリーブ油に対する信頼性の向上と消費拡大に貢献していく。