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日清オイリオ、鈴鹿市等の産学官連携が活動報告

日清オイリオグループ、鈴鹿市、鈴鹿医療科学大学は3月29日、鈴鹿市市役所で健康寿命延伸に向けた産学官連携協力の活動状況について記者会見を行った。会見には、鈴鹿市の末松則子市長、日清オイリオグループの高柳利明常務執行役員、学校法人鈴鹿の髙木純一理事長らが出席した。
 3者は、2016年2月に産学官連携協力に関する協定を締結した。「食生活(中鎖脂肪酸)での市民の栄養状態向上の大規模研究」、「地場食材の認知向上と利用促進」、「食生活(中鎖脂肪酸)の基礎的研究による機能性の解明」、「食生活(中鎖脂肪酸)での認知症罹患者の栄養状態改善の検証」という4つのテーマを設定し、相互に協力して取り組みを進めている。
 このうち、「大規模研究」については、鈴鹿市市民503人(45~79歳)が参加して実施した。約1ヵ月間にわたって健康に良いとされる10種類の食材(肉、魚介類、大豆・大豆食品など)と中鎖脂肪酸(日清オイリオの「メモリオン」)を含む食品を毎日食べる食生活改善を推奨した上で前後の変化を調べた。また、推奨前後に採血した98人(60~79歳)の血液を分析するとともに、認知機能検査を実施した。
 その結果、以下の2つの効果が見出された。
 一つは、約1ヵ月間、食生活の改善を推奨したことで、摂取食材数が増加した。推奨1週目は、1日あたり11種類中平均7.6種類を摂取していたが、推奨4週目は7.9種類に高まった。「ほとんどの食材が増加したが、特に増加したのは果物、海藻類」と高柳常務は説明した。
 もう一つは、MCTと多様な食材を摂取したことにより、「健康状態・栄養状態が良好になった。そして加齢に伴い低下する機能の維持や低下防止につながる可能性を見出した」(高柳常務)。