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「エコプロ2016~環境とエネルギーの未来展」が開催

 産業環境管理協会と日本経済新聞社は、12月8~10日、東京ビッグサイトにおいて「エコプロ2016~環境とエネルギーの未来展」を開催した。展示規模は705社・団体、1,527小間、来場者数は16万7,093人(前回16万9,118人)となった。

 味の素グループで出展したJ-オイルミルズは、昨年のナタネ油に続き、今年は大豆油を主に紹介した。“大豆油ができるまで”と“大豆の栄養”という観点から、油の原料である大豆を無駄なく大切に活かし切っていること、栄養豊富な大豆とその健康機能、香りやコク味といった大豆油のおいしさなどを、パネルを用いてわかりやすく紹介した。また、ブース内におけるステージ発表では、「エコな植物油の使い方」と題して、揚げ物の調理時間の短さ、温度調節のポイント、差し油の効果、揚げ油の捨て方などに関して、来場者への質問形式で説明した。中でも大豆油の栄養や調理のポイントに関しては、普段から調理をする女性を中心に高い関心が寄せられた。

 日清オイリオグループとキユーピーは、健康づくりに役立つマヨネーズ・植物油に関する情報を2社共同で提供した。植物油とマヨネーズは、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」に設けられているn-6系、n-3系脂肪酸の主要な供給源であること、日本人に不足しがちなβ-カロテンは植物油と一緒に食べることで吸収率がアップすることなどを伝えた。日清オイリオグループは「日清アマニ油」や「日清健康オイルアマニプラス」、キユーピーはアマニ油配合の機能性表示食品「キユーピーアマニ油マヨネーズ」などを中心に紹介した。

 花王は、ブース内で同社のエコ活動について紹介する3種類のデモステージを開催した。そのうち「暮らしの中のエコ」では、同社の衣料用濃縮液体洗剤「ウルトラアタックNeo」の優れた洗浄力や抗菌力について実践を交えて紹介しつつ、すすぎ1回の洗濯がエコにつながることなどを説明した。同品は、2009年の発売以来5億本が利用されてきたといい、このすべてにおいて洗濯をすすぎ1回で行ったとすると、東京ドーム117個分の節水、エコカーで地球を58周できるほどの節電につながっているなどと、わかりやすくその効果を説明した。展示スペースでは、ヘアケアシリーズ「エッセンシャル」を使用した、短い時間できれいに髪を乾かすエコや、昨秋の新製品「キュキュット CLEAR 泡スプレー」を使用したエコなどについて紹介した。

 ライオンは、“社会課題を解決する”を今回のブーステーマとし、時代とともに移り変わってきた環境課題、社会情勢とともに、同社の製品開発の変遷を1つの年表にまとめ、同社の技術開発がその時々の社会課題に常に取り組んできたことをアピールした。たとえば1970年代に社会問題となった生活排水の環境への影響に対しては、“リン分を低減しながら洗浄力低下を補う技術”の開発が難しい課題とされていたが、同社は“安全性”と“安定性”に着目し、酵素メーカーであるノボ社が開発した顆粒状にカプセル化した酵素と、同社が洗剤の主成分としていた生分解性の良い界面活性剤AOSを活用することで、その課題を解決した。1979年に発売した酵素配合の衣料用洗剤「酵素パワーの『トップ』」は、リン分低減による環境配慮と同時に、洗浄力を向上させることに成功し、2016年9月には国立科学博物館が認定する「重要化学技術史資料」に登録された。
 このほか、ブース内では、各事業所における生物多様性保全活動、独自の“ライオンエコ基準”をクリアした製品だけに付ける“環境ラベル”の取り組み、Reduce・Reuse・Recycleの3つの取り組みなどを、パネルや模型、小学生向けの冊子などを使ってわかりやすく伝えた。