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バイテク情報普及会がメディア勉強会を開催

 バイテク情報普及会は2016年12月13日、東京・八重洲のベルサール八重洲で「第1回メディア勉強会」を開催した。
 今回は、第1部で「遺伝子組換え作物に関する米国科学・工学・医学アカデミー報告書」について、日本バイオテクノロジー情報センターの冨田房男代表と毎日新聞東京本社生活報道部の小島正美編集委員が解説したほか、第2部で「ノーベル賞受賞者100名以上が署名した公開書簡」について同会の今井康史事務局長が報告した。
 冨田氏は、米国科学・工学・医学アカデミーが昨年5月にまとめた報告書の概要を説明した。報告書は、1,000件以上の文献、専門化のみならず多様な分野の80人からの聞き取り、700を超える一般市民のコメントなどを分析し、商業栽培中の遺伝子組換え作物(GM作物)、およびこれからのGM作物の想定されるリスクとベネフィットを検証したもの。
 報告書では、現在のGM作物について、「農業および環境への影響」、「人間の健康への影響」、「社会的、経済的効果」の3つの側面から分析した。
 「農業および環境への影響」については、害虫抵抗性作物は害虫による収量減少を軽減していること、また、除草剤耐性作物は高い収量が得られることがあるが、農場経営のやり方による変動があることを認めた。
 「人間の健康への影響」については、「バイテク作物に由来する食品の消費に直接起因する健康への悪影響についての確固たる証拠はない」という結論を示した。
 「社会的、経済的効果」については、「生産者に対する経済的成果は、バラツキはあるものの概して良い効果がある」と報告した。