• 企業

かどや製油 6月から新充填ライン本格稼働し家庭用で拡売策

 かどや製油は5月27日、東京・日本橋の野村證券日本橋本社で2016年3月期決算説明会を開催した。16年3月期の業績は、売上高271億3,100万円(前年比12.8%増)、営業利益15億7,000万円(同93.5%増)、経常利益22億8,200万円(同40.8%増)、当期純利益14億3,600万円(同50.3%増)の増収増益となった。ゴマ油の販売数量は、家庭用が前年比24.1%増、業務用が6.1%増、輸出用が0.3%増で、ゴマ油全体では9.5%増となった。
 小澤二郎社長は前期のゴマ油の販売を振り返り、「家庭用は期初から積極的な拡売策を実施してきた。他社も値上げしたので価格差が縮まったことがプラス要因になり、加えてアマニ油やエゴマ油等が健康イメージでブームとなり、ゴマ油も恩恵を受け、販売数量・金額ともに大幅に伸びた。業務用は原料価格の高騰が一段落したが、高い原料を使っており、大きな値下げ要求はなく、販売数量・金額ともに増加した。輸出用は、上期は前年に比べて数量は減少したが、中間から回復し通期では数量(約4,760トン)が増加した。値上げにより販売金額(38億円)は大きく伸びた」と総括した。
 今期のゴマ油の販売計画について「家庭用は順調に推移しており、今もシェアが少し拡大している。営業が小売店のフォローアップを行い、量販店等で特売が行われている成果と思っている。PET容器の400gは高齢者から軽くて持ち運びがしやすいとの声を頂くなどありがたいニュースが多い。また、6月から本格稼働する新しい充填ラインによって1.5倍の生産量に引き上げられ、安心して拡売策が取れる。家庭用は上期は順調に進むことは間違いなく、量販店等から値下げ要求は少ないので下期もそう大きな変化なく推移していく」とみている。しかし、業務用は「大手食品メーカーから値下げ要求がきている。上期はそう下がらないが、下期は大きく影響を受けると思っている。シェアを拡大しているので下期の数量は落ちないと思うが、金額は少し下がる」との見方を示した。