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松籟科学技術振興財団が第33回研究助成金贈呈式

 松籟科学技術振興財団は3月1日、東京・丸の内のシャングリ・ラ ホテル東京において、2015年度(第33回)研究助成金贈呈式を開催した。長谷川吉弘理事長(ハリマ化成グループ社長)は、贈呈式冒頭の挨拶で「当財団は1983年に発足して以来、本日贈呈する17件を含めると、研究助成は延べ620件、累計総額は6億8,000万円の助成を行うことができた。第4回の研究助成を受賞されたノーベル賞受賞者の野依良治科学技術振興機構研究開発戦略センター長がハリマ化成グループの技術広報誌『HARIMA QUARTERLY』に“真の科学技術創造立国となるために”と題して、次世代を担う若い科学者への提言を寄せて頂いた。これから大きなイノベーションを生み出すために、多様な人と議論を通じてセレンディピティ=偶然の発見あるいは閃き、そして決して諦めない信念が必要と提言されている。それぞれの研究が大きなイノベーションを生み出すような成果に繋がることを期待している」と述べた。
 その後、選考委員会による報告、来賓祝辞に続いて、受賞者にそれぞれ助成金100万円の目録が贈呈された。受賞者を代表して大阪大学産業科学研究所の関谷毅教授は「(同財団の)設立趣意書にもある全地球的な科学技術の創生に向けて精一杯の取り組みを進めていく所存です」と挨拶し、自身の研究テーマ「低エネルギー循環型プラスティックセンサの開発」の背景を紹介し、「人類70億人が1人200個ずつセンサの恩恵に与かる時代がやってこようとしている。私の研究テーマは、エレクトロニクスのゴミを低温で分解し、貴金属や半導体などを分離・抽出し、再利用する取り組み。IoTセンサにより、日々の生活の安全・安心・利便性を向上させながら、センサの再利用を行い、エネルギー問題、環境問題にしっかりと貢献できるモノづくりを進めていく」と語った。
 最後に、京都大学大学院農学研究科の菅原達也教授が「海洋生物資源の高度利用を目指したカロテノイドの機能解明」について第30回(2012年度)研究成果を発表した。