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かどや製油が第3四半期営業概況を報告

 かどや製油は2月2日、都内で油糧関係記者と会見し、営業概況等について説明した。
 同社の2016年3月期第3四半期業績は、売上高206億2,600万円(前年同期比15.2%増)、営業利益13億3,400万円(同52.4%増)、経常利益19億8,400万円(同56.9%増)、四半期純利益12億7,700万円(同63.4%増)の増収増益となった。売上高をセグメント別に見ると、ゴマ油が164億円(同18.4%増)、食品ゴマが37億円(同5.8%増)、脱脂ゴマ等が6億円(同2%減)。ゴマ油の販売数量は、家庭用28.7%増、業務用5.4%増、輸出用0.3%減で全体では10.1%の増加となり、販売価格では家庭用は増減なし、業務用5.2%増、輸出用10.7%増だった。
 小澤二郎社長は「12月までの内容は前期よりましだが、過去の良かったレベルまでではなく、経常利益率10%にはまだ差があり過ぎる。やっと底から少し上向いたところ。原料(相場)が安定しつつある雰囲気で、得意先からの値下げ要請の声はあるが、高い原料を背負っており、もうしばらく待って欲しいと我慢頂いている現状である」と語った。
 搾油用ゴマの国際相場は2,000ドル/トンを超える水準から1,000ドル見当まで軟化してきた中で、ゴマ油価格への値下げ期待は増してきている。しかし、メーカーは昨年来の高値在庫を抱え、コストを考えれば当面価格を下げにくい環境にある。「同業他社が辛抱しきれず、期待に沿った値下げも若干出始めている」との見方を示すが、大勢として傾き始めたわけではない。
 一方、需要については「昨年後半からこの1月もガタッと落ちたわけではない。家庭用は昨年第2四半期と比べて(さらに)伸びたわけではないが、フラットで動いている。加工用は少し状況が良い感じを受けているので、2~3月を乗り切れればありがたい。輸出は大きな変化はないが、台湾や中国本土、メキシコ産の価格が、北米市場へ安く出始めており、対応せざるを得ない。12~2月は順調な注文がきており慌てているわけではないが、情報を集めて対処していく」と語った。