• 展示会

食品開発展2015が開催

 10月7~9日の3日間、東京ビッグサイトにおいて「食品開発展2015」が開催された。展示規模は600社、850小間となった。機能性表示制度への取組みが活発になる中で、製油関連企業も多数出展した。

 J-オイルミルズは、大豆由来の健康成分であるサポニンやビタミンK2の健康機能をアピールした。大豆サポニンは脂質代謝改善、血圧上昇抑制、高血圧改善などの機能が報告されている。ビタミンK2は骨強度を高めるために必要で、ビタミンKのうち納豆菌がつくるメナキノン-7は他のビタミンKに比べて最も栄養価が高く、少量の摂取で骨や動脈の健康に役立つと考えられている。ブースでは、大豆サポニンの中でも特有の機能が報告されているBグループサポニンを50%以上含む食品素材「J-オイルミルズ サポニンB-50」や、メナキノン-7が主成分となるビタミンK2を多く含む食品素材「K2オイル」を紹介し注目を集めた。

 日油は、健康食品関連の素材と油脂のコーティング技術を紹介した。素材では、大豆由来PS(ホスファチジルセリン)の機能性を紹介し、機能性表示食品制度への取組みをアピールした。PSは細胞幕を構成するリン脂質の一種で、脳機能の改善やストレスの低減といった機能性を持つ。脳機能へアプローチする素材の中では、DHA・EPA、イチョウ葉エキスに次いで業界で認知されており、同社はPS製品を15年以上取扱い国内トップシェアを持つという。展示会では、期待される機能性表示のイメージとして、「中高齢者」×「もの忘れ」×「軽減」や、「運動、作業」×「ストレス」×「低減」などを例示し、豊富な研究結果や安全性、臨床試験データをアピールした。

 築野食品工業は、コメ油の副産物である米糠中に多く含まれpH調整機能を持つフィチン酸のほか、フェルラ酸とイノシトールを展示した。フェルラ酸は以前から同社が扱っている素材だが、昨今アルツハイマーへの機能が注目されていることもあり、これまでの研究成果を集めて脳機能に働きかける素材としてパネルにまとめて紹介した。フェルラ酸のサプリメントはこれまで医師の処方により利用されることが多かったが、一般消費者への認知拡大が期待される。

 辻製油は、同社製品を販売するうれし野ラボと共同でブースを出展した。フレーバーオイルや、油製造の副産物である高機能レシチン、植物セラミドの紹介を継続して行っており、徐々に認知度を高めている。特にレシチンは化粧品向けの引き合いが増えており、中国・韓国なども含めた国内外の関心が高まってきている様子だ。

 太田油脂は、急速に人気が高まっているエゴマ油やシーズニングオイルを紹介した。日本水産は、添加の幅を広げる魚油製品として、開発原料の高濃度DHAパウダーと高濃度魚油エマルションを紹介した。新たな形状を開発することで、従来のオイルのみでは難しかった製品への配合を可能とする。特に魚油の乳化物はこれまであまりなかったため来場者の反応は良く、同社は今後もユーザーのニーズを汲み取ったより使いやすい製品としての展開を図る考えだ。