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日清オイリオグループ吉田常務が営業概況を報告

 日清オイリオグループは10月5日、同本社において「2015年歳暮期日清オイリオギフト、新商品発表会および中鎖脂肪酸事業の取組み状況報告会」を開催した。発表会の冒頭、吉田伸章取締役常務執行役員(食品事業本部長)が営業概況について報告した。
 吉田常務は、はじめに原料環境について「ここ数年来の異常な高騰から原料は多少の一服感はあるように見受けられる。しかし、絶対値は高値高原相場が依然として続いている。大豆は昨年並みの豊作が予想されているが、世界的に旺盛な需要が継続し、連産品である大豆ミール相場との兼ね合いにおいて大豆油のコストは未だ厳しい状況にあることは間違いない。一方ナタネは、夏に向けて急騰後、春先の水準に一旦戻したが、2年連続生産量が大きく下回り、大豆同様に高値高原相場にある。為替は、中国経済動向を受けて一時116円台(/ドル)までになったが、中長期で見ると120円前後の相場が続いており円安から脱却できていない」と述べた。特に為替要因は採算を圧迫する最大の要因となっており、今年1月と4月から食用油の価格是正を進めてきた。「1月発表分についてはある一定の成果を得ることができた。しかし、4月以降については未だ適正な水準にきていない。今年度第1四半期の決算が厳しい状況にあったのは、これが大きな土台となる要因であると思っている。今後も安全で安心な価値ある商品を安定的に供給していくためには、コストに見合った適正価格での販売を強力に推し進めていかなければならない。その環境についてはまったく変わっていない」ことを強調した。

 一方、上期の家庭用食用油市場については「4~8月の物量は前年比108.8%で、非常に伸びたようだが、昨年の増税後に大きな反動減があったということで多少割り引かなければならない。一方、金額は137.8%と、物量の伸びを大幅に超え成長している。物量・金額ともすべてのサブカテゴリーにおいて前年を上回っているが、特にオリーブ油とココナッツ油やエゴマ油、アマニ油サプリ的オイルが急成長しており、いずれも高単価であるこれらが金額の伸長を牽引している」と語った。
 業務用の下期の戦略については「より現場に近い所でお客様と一緒に顕在化していない様々な課題を発掘し、解決していく提案を当社ではニーズ協働発掘型営業と呼んでいるが、ユーザーサポートセンターと連携し、チーム・マーチャンダイジングを強化し、着実に成果をあげている。下期はそうした体制をさらに前進していく」と語った。
近年、中鎖脂肪酸やオメガ3(n-3系脂肪酸)という言葉を認識されるところまで食用油の健康性につながると注目を集めるようになった。日清オイリオグループは今年6月に「ENERGY Supporter宣言」を発表した。吉田常務は「食用油が持つポテンシャルを、人間が生きるための、進むためのエネルギー源として訴求し、家庭用の売場展開や外食・中食のメニュー提案、場合によってはマーチャンダイジングに持って行こうと、食用油の価値を高めてさらなる需要喚起を進めたい」と述べ、営業概況説明を締めくくった。