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第18回 FABEX2015が開催

 日本食糧新聞社は、4月15~17日、東京ビッグサイトにおいて「第18回 FABEX2015」を開催した。同時開催含む7展合計で891社、1,429小間出展し、来場者数は7万5,129名と過去最高規模となった。

 日清オイリオグループは、オリーブ油、中鎖脂肪酸、マーガリン、大豆粉を使用したスイーツなど、様々な素材を活かしたメニュー提案を行った。エネルギー補給で知られ、最近では認知症への効果が注目されているMCTについては、その仕組みをわかりやすく説明した。最新の研究では、アルツハイマー病になると脳はブドウ糖をうまく利用できずに機能不全の状態に陥るが、ケトン体を利用する能力は残っており、脳が再び機能する可能性があることがわかっているという。中鎖脂肪酸はそのケトン体を効率的に作り出す。会場では中鎖脂肪酸の効能に対する認知の広まりや関心の高さをうかがわせた。

 竹本油脂は、おいしく食べながら健康になり、ダイエットもできる“低糖質食”に着目した。同社は「低糖質食(ロカボ)」の提唱者である、食・楽・健康協会代表理事の山田悟氏と協力し、和・洋・中・スイーツの様々なメニューでゴマ油を使用した低糖のメニューを紹介している。低糖質食の最大のポイントは、メタボの予防・改善、ダイエット効果が高く、糖質ゼロである油脂等の摂取は問題がないため、糖質量さえ注意すれば揚げ物やスイーツも楽しめることだ。会場では、低糖質でもボリュームがありおいしいメニューとして、ゴマ油で揚げたハムカツを振る舞った。

 ボーソー油脂は、以前の展示会で好評であったコメ油のアヒージョを提案し、一日目には例年を大きく上回る400食を提供するなど好評を博した。同社は昨今のコメ油の人気の高まりを持続させるべく提案を継続している。

 デザート・スイーツ&ドリンク展では、カネカが今春新発表した「イニシャルMA・SH」を紹介した。同品は、世界初となる菓子専用機能性油脂で、でんぷんの老化抑制に新型アミラーゼ(酵素)の分解作用を活用し、半生菓子における老化抑制を実現する。会場では同品の添加ありとなしのパウンドケーキでしっとり感の食べ比べを行ったところ、圧倒的に添加ありの方が支持された。マーガリンタイプのほか流動状ショートニングタイプも揃え、販路を広げている。

 マリンフードは、「私のシリーズ」から3月新発売のスプレッドを紹介した。フレンチトースト、フランス料理、ごまなど、味付きの提案により需要喚起を図る。4月新発売の「ミルクを食べる乳酪 私の燻製バター」は、企業としてバターを燻製にしたのは同社が初めてということもあり、大変注目を集めた。また、植物油脂と乳たん白からつくられたチーズ代替素材で、“第3のチーズ”として人気を博している「スティリーノ」シリーズは、チーズ原料の高騰が叫ばれる中で、風味を維持しながらも価格が通常のチーズに比べて2~3割抑えられていることが評価され、今年1~2月の売上げは昨年の2倍ほどにまで伸びているという。

 同時開催のハラールマーケットフェアでは、トゥーバトレーディングがハラル認証を取得した羽田空港の店舗において販売していた弁当の空港外への宅配を開始したと紹介した。今後は人気の高いハラルパンの卸売に向けても計画を進めている。ケンコーマヨネーズは、インドネシアでハラル認証を取得し現地で製造した「おマヨ マヨネーズタイプ」の輸入を開始した。日本の食品衛生法に準じた原材料を使用し、現地の主要な形態にのっとった1パックばら売りとなっている。オリザ油化は、ハラル認証品「玄米油」や「こめサラダ油」を、日清商会は今年春夏に新発売となるハラル業務用商品の「ひまわり油」「こめ油」「パーム油」「ブイヨン」をそれぞれアピールした。