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「SOY CANADA(カナダ大豆協会)」が発足

 SOY CANADA(カナダ大豆協会)は、2月17日、東京・港区のカナダ大使館において「カナダ食品大豆セミナー」を開催した。
 今回のセミナーでは、SOY CANADA専務理事のジム・エヴァーソン氏が「顧客に焦点」、カナダ農務農産食品省のローナ・ウッドロー氏が「食品大豆市場へのカナダ大豆開発」、カナダ穀物委員会のメロニー・ストウトン氏が「カナダIP認証制度(カナダ大豆産業と品質保証)」、カナダ農務農産食品省のケン・へスター氏が「カナダ大豆動向・見通し」についてそれぞれ講演した。

 ジム・エヴァーソン氏は、カナダの大豆業界関係者が協力体制を強化し、2014年に新たに設立した全国統一組織「SOY CANADA」について説明した。SOY CANADAは、カナダ大豆評議会とカナダ大豆輸出協会の2つの協会が合併し、業界のバリューチェーン全体を網羅する組織として設立した。全国の生産者協会、加工業者、輸出業者、種子開発業者といった30以上の企業・団体が会員となり、業界のあらゆる関係者が協力する体制を構築している。
 対象となる製品は、国内向けおよび輸出用の食用IP大豆、カナダで加工した大豆ミールおよび大豆油、GMおよびNon-GMの飼料用・食品用・工業用大豆と多岐にわたる。エヴァーソン氏は、「生産者、サプライヤー、輸出業者が統一組織を形成し、カナダ大豆産業の構築と強化、そしてお客様へのより良い価値と品質の提供という一つの目的を共有している」と述べ、新組織設立の意義を語った。

 ケン・へスター氏はカナダ大豆産業の外観に触れ、カナダの大豆生産地域について確定している13年度実績を引き合いにして説明した。カナダ統計局によると、13年度のカナダ大豆の総生産量は519万8,400トンで、州別の割合は、オンタリオ州が59.2%、ケベック州が16.3%、マニトバ州が20.5%、サスカチュワン州が2.3%だった。伝統的な生産地域であるオンタリオ州とケベック州についてへスター氏は「だいたい大豆の総生産量については80%を占めてきたが、13年度はこの2つの州で75.5%となった」と述べ、「増産するのは西部だ。マニトバ州は確立してきており、サスカチュワン州も新品種の開発によって増産している」と説明した。
 Non-GM大豆生産量の割合は、アルゼンチン、ブラジル、米国等が数%~1割程度であるのに対して、カナダは22~30%で推移しており、年間約80~120万トンが生産している。Non-GM大豆生産量の98.2%がオンタリオ州とケベック州が占めると推算される。14年度は前年から多少増加し、年間約100~110万トンのNon-GM大豆が生産された模様だ。
 カナダにおける大豆の作付面積は、14年度は225万haに増加し、単収は天候の問題からやや減少したものの、大豆総生産量は605万トンに達したと見られる。08~14年を見ると大豆の総生産量は7年連続で伸長し約81.14%の増加、数量では333万トンから605万トンになったと推定されている。15年度は、作付面積が約4%拡大し235万ha、生産量は約10%増産し665万トンが予測されている。