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「第30回アメリカ大豆バイヤーズ・アウトルック・コンファレンス」が開催

 アメリカ大豆輸出協会(USSEC)は、11月17~18日、東京・港区の東京アメリカンクラブにおいて「第30回アメリカ大豆バイヤーズ・アウトルック・コンファレンス」を開催した。ここでは2日目に行われた油・飼料業界向けの米国新穀大豆の生産状況や品質、需給展望などの発表を簡単に紹介する。

 14年産の大豆生育シーズンでは中西部における低温状態と多雨が注目された。多雨がチャレンジになった地域もあるが、米国全般では非常に良い作柄をもたらし、低温だったにも関わらず豊作となった。春先には北部で低温状態が続き、特にミネソタ、アイオワ、ウィスコンシンといった地域で作付けが遅れたが、それ以外の地域では概ね通常の時期に行われた。
 作付けと収穫の進捗は、全米全体ではほぼ通常通りに行われたが、コーンベルトの東側のでは収穫が少し遅れた。作柄は、イリノイ州では8割以上が生育期間を通して良好(グッド)または優良(エクセレント)となった。アイオワ州、イリノイ州においても高い数値を示した。
 上位4州の収穫量は、イリノイ州1,500万トン、アイオワ州1,370万トン、ミネソタ州830万トン、インディアナ州810万トンが見込まれる。

 全米での平均値はたん白質分が34.3%で前年から0.4ポイント減、油分が18.7%となり同0.3ポイント減、良好だった13年の結果と比べるとどちらも減少した。1986~2014年の長期的な平均と比べると、たん白質分が0.9ポイント低く、油分はほぼ同等の数値となった。
 地域別にたん白質分を見ると、多くの地域が過去平均と一致している。ノースダコタは最もたん白含有量が低く、高いのはオハイオ、インディアナなどに集中している。また南部も比較的高い数値を示している。
 油分含有量は、南部で高く、北部で低いという状況が見られた。また、たん白含有量と油分の合計は、過去の長期平均と一致しているところが多く、北から南にいくにつれて数値が高くなっている。
 14年の品質平均を過去8年間の長期平均と比較すると、油分において一定のトレンドがみられる。ミネソタとアイオワにおいて、多雨による作付けの遅れや登熟時期に寒冷な気候に見舞われたことで、油分含有量は長期平均から1%ほど低く抑えられた。油分は熱エネルギーをもって種子の中で合成されるため、登熟時期における温度との相関関係がある。
 水分量は例年通りの11%以下となったが、西に行くにつれて12~13%の地域も見られる。全米での収穫時における夾雑物は0.2%で、97.2%のサンプルが夾雑物2%以下となった。


サンプル数 たん白分 油分
西コーンベルト 778 34.0% 18.6%
東コーンベルト 391 34.8% 18.6%
中南部 94 34.5% 19.7%
南西部 16 34.0% 19.6%
東海岸 21 34.3% 18.6%
全米合計 1300 34.3% 18.7%