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J-オイルミルズが西日本拠点再編計画を発表

 J-オイルミルズは10月3日、JA全農の子会社であるJA西日本くみあい飼料と全農サイロとともに岡山県倉敷市の玉島ハーバーアイランドに3社それぞれが搾油工場、飼料工場、サイロを建設し、食料コンビナートを構築することで、岡山県および倉敷市と合意したと発表した。食料コンビナートは2017年4月に稼働を予定しており、J-オイルミルズは新工場の稼働後、神戸工場(住吉)を閉鎖する予定となっている。同6日に記者会見し、それらの経緯や内容について松居伸一副社長と後藤康夫常務が説明した。

 松居副社長は「J-オイルミルズの生産拠点を再編するという大きなテーマだ。神戸工場(住吉)を閉鎖し、岡山県倉敷市に新たに作られた玉島ハーバーアイランドに新工場を建設するという方向性にある。10月3日に、岡山県庁で岡山県知事、倉敷市長をはじめ一緒にコンビナートを組むJA西日本くみあい飼料、全農サイロ、当社の社長が集まり、企業立地協定書の調印式が行われた。3社が土地を購入し、岡山県と倉敷市は土地をきちんとした形で供給することの協定を結んだということで、実際には協定書に基づき、その後両者が土地の売買契約をこれからしていく、その前段階になる」と語った。
 そのため詳細には未決定の部分が多々あり、今後具体的な検討を進めていく段階にあるため、同社は生産能力や投資額等について、非公表という形を取っている。一方、岡山県企業誘致・投資促進課が公表した資料によると、J-オイルミルズの新工場は、大豆ミールおよび大豆油の生産・販売を事業内容とし、敷地面積2万8,250㎡、建築面積約8,000㎡、製造能力は大豆油約7万トン/年、大豆ミール約30万トン/年と計画されており、年間の搾油能力は約40万トン規模を予定していると見られる。
 玉島ハーバーアイランドは、JR新倉敷駅から南へ約8kmの水島町玉島地区にある。同食料コンビナートは、その東岸沿いやや南寄りの3工区の約10.8haに建設が予定されている。東側の岸壁から西に向かってから全農サイロ玉島支店(仮称)、J-オイルミルズ玉島工場(同)、JA西日本くみあい飼料新水島工場(同)を建設すると見られる。JA全農によると、それぞれの施設をコンベアで結ぶことにより、穀物や大豆といった原料、および大豆ミール等の生産物を効率的に搬送できる体制が整うとしている。

 J-オイルミルズ玉島工場の特徴は「大豆搾油専用工場で、大豆ミールを隣接するJA西日本くみあい飼料が新設する工場に供給する。これだけではなく、西日本の当社の既存ユーザーへの供給をこの基地から行うことになる」と松居副社長。全農サイロ玉島支店のサイロ能力は約11万トンを、JA西日本くみあい飼料新水島工場の製造能力は配合飼料約80万トン/年をそれぞれ計画している。
 「玉島という新しい地域にコンビナートを形成して、ここで搾油業の新しい姿として生き残りをかけて、まだ詳細に未決定の部分はあるが、次の姿を描いていこうという結論に至った」と松居副社長は語った。
 また、閉鎖予定の神戸工場(住吉)について「日本大豆製油という名前で旧豊年製油と吉原製油が50対50で持ち合った大豆搾油の専用工場。昭和43年5月に稼働してから46年になる。大豆搾油の当時の工場としては最新鋭で、昭和から平成にかけて日本の大豆搾油を技術的にも色々な意味でもリードしてきた工場といえる。搾油設備もかなり老朽化しており、併設して当時作られたJA西日本くみあい飼料、全農サイロも神戸から撤退することで、搾油を終了する」という。