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2016年度連結経常利益110億円以上を目指す日清オイリオグループ

 日清オイリオグループは5月15日、同本社において2014年3月期決算説明会を開催した。
 今村隆郎社長は、Growth10フェーズⅡの最終年度である同期の連結業績について「売上高は前期に比べて8.8%増の3,371億4,800万円、営業利益は20.7%増の51億300万円、経常利益は50億5,800万円(同13.1%増)、当期純利益は22億7,600万円(同50.9%増)と、増収増益の決算となった。海外を中心としたグループ企業は前年を上回る利益の計上ができたが、当社単体の決算は前年およ計画を大きく下回る結果となった」と総括した。
 新しい中期経営計画の初年度となる2014年度の業績予想については、主にCOFCOグループに出資持分譲渡を行った旧・大連日清製油が連結から除外された影響から、売上高は3,260億円(前年比3.3%減)と減収予想だが、油脂・油糧事業の改善を主な理由に営業利益64億円(同25.4%増)、経常利益60億円(同18.6%増)、当期純利益28億円(同23.0%増)と増益を見込んでいる。
 2007年度から10カ年の経営基本構想として掲げてきた「Growth10」を振り返ると「スタートした2007年度から09年度までは売上高も利益も着実に増加したが、10年度から3期連続の減益が続き、ようやく13年度で若干の増収・増益に転じた。しかし、利益額のレベルは非常に低迷しており、特にここ数年は油脂事業の業績低迷が著しく、連結業績全体が低調な状況が続いている」と今村社長。Growth10は、同社単体での安定収益を前提に、その利益を海外や成長分野に再投資することが基本的なシナリオだった。しかし、「Growth10スタート時の2.5倍にもなる原料相場の高騰、デフレ環境の中で収益の柱である油脂・油糧事業の落ち込みが著しく、その立て直しが急務であると判断し、改めて中期経営計画を策定し、実行しようと決断した」と、Growth10をフェーズⅡで終了し、2014~16年度の新3カ年中期経営計画に移行する理由を説明した。

 中期経営計画の基本方針は「グループの基幹事業である油脂事業の収益改善を中心とする将来のゆるぎない収益基盤の構築」にある。
 国内油脂事業については、売上総利益の拡大と安定的な収益計上のための継続的な商品開発、適正価格の販売を前提にした油脂販売数量63万トンの確保により、コストダウンを含めて経常利益60億円の達成を目指す。加工油脂事業は、国内加工油脂事業の拡大、ISF社の収益増大、アジア戦略の推進により、経常利益30億円の達成を目指し、国内油脂事業に次ぐ柱として確実な収益拡大を実現していく。
 また、ファインケミカル事業・ヘルシーフーズ事業・中鎖脂肪酸事業は、同社グループ独自の技術、強みを活かした展開によるグループ収益基盤の厚みを鱒事業の進化と拡大を目指す。そして、生産・物流コスト改革として、環境にフレキシブルに対応するための生産・物流最適化計画の実行により、2015年に12年度比30億円のコストダウン体制の構築を実現する。

 新中計の数値目標は、2016年連結ベースで売上高3,460億円、経常利益110億円以上としている。