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アメリカ大豆アウトルック・コンファレンスが開催

 アメリカ大豆輸出協会は12月9~10日、東京アメリカンクラブにおいて「第29回アメリカ大豆アウトルック・コンファレンス」を開催した。昨年同様、油・飼料業界向けと食品業界向けと2日間に分けて開始し、2013年度産の米国大豆の品質や生産状況、世界の大豆需給、大豆関連情報等について説明した。講演内容については2月号で紹介する予定。ここでは、新穀の生産状況と品質について簡単に触れたい。

 2013年シーズンは、米国の多くの大豆生産州でトップ10に入るような寒い4月だった。4月の降雨量は、中西部のほとんどで例年より多かった。そのため、前年から続いていた乾燥状態は春の十分な降雨により緩和されたものの、雨の多い日が続き多くの地域で播種が遅れた。生育シーズンは雨続きでスタートしたが、ほとんどの地域で8月までの降雨量は平年以下となり、中西部のいくつかの場所では過去最も乾燥した8月を経験した。
 11月のUSDA発表では、2013年の米国大豆の生産量は前年比7%増の8,870万トンと予想されている。ほとんど各州の収量が増大したが、北ダコタやミネソタ、ウィスコンシンといった北部、西部の州は減少の見込み。
 一方、品質については、水分13%ベースでたん白分が平均34.7%と前年から0.4ポイント増加(1986~2013平均は35.2%)、油分は19.0%と前年から0.5ポイント増加(同18.7%)した。前年に比べると油分、たん白ともに改善したが、長期平均に比べるとたん白は低く、油分は高めという品質調査結果になっている。品質報告を行ったミネソタ大学のセス・ネイブ准教授は「2013年は全体を見ると史上3番目の生産量。昨年に比べ品質も向上しており、長期平均に匹敵するものになっている」と語った。


2013年産米国大豆品質調査結果

サンプル数 たん白分 油分
西コーンベルト 880 34.5% 19.1%
東コーンベルト 577 35.0% 18.7%
中南部 118 34.6% 19.6%
南西部 19 34.8% 19.6%
東海岸 33 35.4% 18.0%
全米合計 1,627 34.7% 19.0%