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第37回日加なたね協議:カナダのナタネ生産は史上最高の1,777万トン

 第37回日加なたね協議が11月20日に経団連会館で開催され、その報告会見が11月28日に農水省で行われた。
 2013年産のカナダのナタネ生産量は、前年比28.1%増の1,777万トンと史上最高を記録する見通しだ。7月に開催された予備協議で示された1,505万トン、さらに11月20日にカナダ統計局が発表した1,602万9,000トンを大きく上回る予想が示された。収穫面積はピークとなった2012年の2,174万4,000エーカーを9.4%下回る1,969万8,000エーカーへと減少したが、単収は天候悪や病虫害に悩まされた前年の28.1bu/エーカーを大幅に上回り、39.7ブッシェルと過去最高となった。
 2013年の生育環境は、雪解けの遅延と低温により播種が5月にずれ込み、8月上旬まで例年より低温となり、9月最終まで早霜のない温暖な天候に恵まれた。6~7月の低温は単収を高め、油分の向上にもつながっている。13年産の品質については、1,500点余りの分析によると、NO.1グレードが93.7%を占め、その油分は45%水準(サスカチュワン州45.4%、アルバータ州45.0%、マニトバ州43.9%)で、43%台だった12年産に比べて良好。油分が上昇したことから、たん白質分については12年産の21.6%から19.5%に低下している。

 一方、13/14年度の需要の見通しについては、北米におけるナタネ油需要の増加を受けて国内搾油は前年比8.7%増の730万トンと過去最高、輸出量も同14.3%増の830万トンと高水準が見込まれる。
 その結果、13/14年度の期末在庫は前年比333.1%増の263万3,000トンと大幅に改善し、在庫率もひっ迫した前年の4.3%から16.6%と安定水準に回復する見通しとなっている。しかし、記録的な大豊作であっても、需要が旺盛なことから極端に在庫が積み上がるような状況にならないのが現実で「仮に予備協議時点の予測の1,500万トン程度の生産量にとどまっていれば、期末在庫はゼロになる計算だ。過去には戻れない新しい次元に入っている」(日本植物油協会齋藤昭専務)といえる。