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日清オイリオグループが2014年3月期中間決算説明会を開催

 日清オイリオグループは11月13日、同本社において2014年3月期中間決算説明会を開催した。
 今村隆郎社長は中間期の業績について「2013年度は11年度からスタートした3カ年の中期経営計画GROWTH10フェーズⅡの最終年度として、厳しい経営環境・構造変化に対して事業構造改革を行い、安定的な収益を計上するべく取り組みを行ってきた。今年度上期の売上高は1,624億2,100万円となり、前年同期に比べて6.8%の増加となった。単独の売上高は約13%増加したが、連結子会社、特に大連日清製油の売上高が前年同期と比べて大きく減少した。営業利益は20億1,500万円となり、前年と比べ約2割減少(前年比20.4%減)した。これは主に、大連日清製油とISF社の利益の減少、のれんの償却増によるものだ。経常利益は、為替差益や持分法投資損益が増加したことにより、前年同期とほぼ変わらない21億700万円(同1.1%減)となった。四半期純利益は関係会社整理損などの特別損失が2億円強増加したことにより前年同期比21%減少(20.9%減)の8億3,000万円となった」と報告した。
 セグメント別に見ると、油脂・油糧事業は増収・減益となった。穀物相場は高値圏、為替も円安で推移し、大豆・ナタネを中心とした原料価格は昨年と比べて大幅に上昇した。国内ででは大豆ミールやナタネミールの販売価格が上昇し、油脂製品についても4月、7月と2度に渡る販売価格改定を発表した。適正価格の実現に取り組み、販売価格は上昇したが、当初想定した価格までの上昇ができなかったことや、中国事業が引き続き厳しい状況であったため、利益面では前年同期を下回る結果となった。
 加工油脂事業は、国内においてショートニングやチョコレート用油脂が販売数量・売上高ともに増加し、利益面でも前年同期を上回った。しかし、ISF社は、販売数量が前年同期を上回ったものの、パーム油相場の影響により販売価格が下落し、さらにのれん償却額が増加したことなどから、加工油脂事業全体の利益は前年同期より7割減となった。
 ヘルシーフーズ事業は、ドレッシング・マヨネーズ類が販売数量増となったが、当期からリベート・販売費の体系を見直したことから、売上高が減少した。治療食品・高齢者食品・通信販売は売上高を伸ばしたが、同事業全体では売上高は微減となった。利益面においては2,300万円の損失となったが、前年同期と比較して4,700万円改善している。
 ファインケミカル事業は、化粧品原料の国内販売で高付加価値品の販促に注力し、海外向けでは欧州地域こそ依然低調だったが、中国・東南アジア向けを大きく伸ばした。中鎖脂肪酸については、食品企業向けの販売が増加。また、IQL社は欧州経済の影響を受けた業績となっている。同事業全体では売上高は増加、利益面ものれん償却額が増加したものの前年同期に比べ13.8%増となった。
 大豆食品素材事業は、大豆たん白の販売が伸び悩んだものの、食品大豆の販売数量・売上高は前年同期を上回り、同事業全体も増収・増益となった。
 通期の連結業績見通しは5月の発表から変更せず、売上高3,400億円(前年比9.7%増)、営業利益67億円(同58.5%増)、経常利益60億円(同34.2%増)、当期純利益27億円(同79.0%増)を予想している。今村社長は「下期についても前年同期と比較して原料価格は上昇し、約50億円の影響を想定している。ミール販売価格の上昇や、上期から引き続き行っている油脂販売価格の改定、子会社の利益改善、経費削減などにより目標の数値達成を目指す。厳しい環境だが、GROWTH10の最終年度として次期以降に良い形で繋げられるように努力したい」と意欲を示した。