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キユーピーマヨネーズ500gから450gに変更へ

 キユーピーは8月7日、東京・千代田区の東京商工会議所ビルで記者会見し、家庭用マヨネーズの主力商品である「キユーピーマヨネーズ」500gを終売し、10月18日出荷分より450gに容量変更すると発表した。価格は据え置きとせず、容量に見合った価格に変更する。また、参考小売価格は402円から368円(税込)に下げる。
 会見の冒頭、好村博常務取締役(調味料事業担当)は「キユーピーマヨネーズ500gといえば、当社を代表する商品であり、約50年間ご愛顧いただいてきた。その500gを終売してしまうことに不安を覚えたが、消費実態の変化を真摯に受け止めた結果、このような決断をした。今後もおいしくマヨネーズを食べて頂くことを第一に考え、使いやすい容器開発なども進めていく。歴史あるキユーピーマヨネーズだが、いつも新しいと感じて頂けるようにしたい」と述べた。
 「キユーピーマヨネーズ」の500gは、1964年の発売から約50年にわたり親しまれてきた同社の看板商品だ。2012年の生産量は約4万トン(約8,000万本)と、業務用を含めた国内マヨネーズ市場の約2割を占めており、小売ベースの売上高は約200億円となっている。なぜ今、主力500gの容量変更を行うのか。日置啓執行役員(家庭用本部長)は「3人以上の世帯が減少しており、単身・2人世帯が急激に増加している。マヨネーズはほぼ1家庭1本保有している商品であり、世帯人数の減少によって1世帯当たりの使用量の減少が見られる。さらに、65歳以上の高齢人口も増加しており、食事の量そのものが減少してきている」ことが背景にあるという。
 同社はマヨネーズをおいしく食べてもらうために開封後30日以内に使い切ることを推奨している。しかし、500gの1世帯当たりの使い切り日数の平均は年々増加傾向にあり、2012年は33.9日と、30日以内に使い切れない状況となっている。これを30日で使い切れる容量に設定すると450gとなることから、新容量への変更に踏み切った。

 「キユーピーマヨネーズ」450gの価格は、他のラインナップのユニットプライスとの整合性を考慮し、容量に見合ったグラム単価に設定している。容量が小さくなると価格に占める容器包材コストの割合はどうしても上がるが、グラム単価は参考小売ベースで500gは0.76円/g、450gは0.78円/gとほぼ変わらず、実質値上げではない(ちなみに350gは0.84円/g、200gは0.95円/g)。キユーピーでは、人口動態の変化にあわせた容量変更によって食卓に貢献するとともに、“マヨネーズマジック”と題したマヨネーズの万能調味料化を提案するなど、需要拡大策を行うことによって、市場をさらに活性化させていく考えだ。