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「ベーカリー素材EXPO」と「洋菓子素材EXPO」が同時開催

 5月15日から17日の3日間、東京ビックサイトにおいて「第2回 ベーカリー素材EXPO」と「第1回 洋菓子素材EXPO」が同時開催された。同展は、ベーカリー・洋菓子店に特化した専門展示会。今回はさらに「カフェ・紅茶ショー2013」も併せて行われ、出展社数は約150社、3日間の来場者は2万942人に上った。その中から油脂関連メーカーの出展をいくつか紹介する。

 ADEKAは、リテール向け展示会ということで、同社製品を使用したパンや洋菓子の展示・試食を豊富に用意し、利用者が実際の商品をイメージしやすいよう配慮した展示を行った。マーガリンやクリーム関連で同社業務用主力品・新製品がいくつか紹介され、その中で「マヨネーズタイプの半固形状ドレッシング」が紹介された。同製品はマヨネーズの代替として使用できる新しいタイプの油脂製品で、現在は研究・試作段階なため販売はされていない。マヨネーズはパン生地に練り込むと分離し流れ出てしまうが、同製品はマヨネーズ同様の風味を持ちつつ生地に練り込んで焼いても流れない。同製品が実用化された場合、今までになかったマヨネーズ風味のパンが登場する可能性もあり、今後が期待されるところである。

 カネカは、マーガリン・ショートニング、イースト、ホイップクリーム、練り込みクリームなど同社が取り扱う幅広い製品を展示紹介した。その中で展示された「ココリンフリールAR」は低トランス脂肪酸対応とコク味付与を両立させたフライ油である。現在はベーカリーを中心に利用されており、今後はその他の食品へも販路を広げていく予定だという。また、現在は風味を気にするユーザーも多く、同社では綿実油風味のフライ油の発売も計画しているという。さらに、同社出展内には開放型のパンの調理設備が用意され、同社製品を実際に使用し作られた「バジルチーズサンド」「アップルパイ」「たまごサラダのタルティーヌ」の実演・試食が行われた。

 J-オイルミルズは、同社の新製品であるパン用でん粉「ネオスターアルタイル」やファットスプレッド「マイスターデリシア」の紹介と、同製品を使用した菓子パンや洋菓子の展示試食を行った。「ネオスターアルタイル」は、同社が特許を持つ独自技術によりデンプンを油脂でコーティングすることによって、焼成後のアミロースの結合を抑制する効果がある。これにより、パンの老化を抑制し冷やしても硬くなりにくくなるため、昨今注目される“冷やしておいしいパン”には最適の原料である。現在はベーカリーなどで、冷やしておいしいパンやサンドウィッチなどに使われており、夏からは大手メーカーの商品にも利用される予定であるという。

 タカナシ乳業は、同社新製品を中心に紹介を行い、その中で業務用向けホイップクリーム「ガトーライト」を展示した。同製品は、通常の植物性ホイップクリームに比べ口どけが良く、生クリームに近いタイミングで溶けるためブレンドにも適する。もともとユーザーのニーズに合わせて開発された同商品は、半年前に発売されて以来食品メーカーやケータリング業者、卸売業者などに大変好調だという。