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日本マーガリン工業会が定時総会を開催

 日本マーガリン工業会は5月16日、東京・千代田区の銀行倶楽部で定時総会を開催した。
 当日は、平成23年度事業報告・収支決算および24年度事業計画・予算案などを審議し、原案通り承認した。
 総会後の懇親会の中で、櫻井邦彦会長は「この1年間を振り返ってみると、我々食用加工油脂業界にとっては、原料高の製品安という厳しい経営環境が続いていたが、何と言っても東日本大震災、福島原発事故の影響が大きかった。今日においても復興や回復の道筋がはっきりしない状況にあることは心痛に絶えない。特に原発事故の関係では、故郷に帰れない方々も多いことや、放射性物質の問題がある。私ども食品関係も改めて食の安全・安心について考えさせられた。新たな放射性物質の基準値が国際的に見ても厳しすぎる程の基準に定められたのは止むを得ないとしても、流通段階などでさらに厳しい自主的基準を設ける動きがあることは、ある意味で風評被害を生じさせる恐れもあり、復興の観点からも残念なことである」と昨年の状況を振り返った。
 続けて「安全・安心は科学的根拠に基づく知見を有した上で判断することが大事だと考えているが、わが国にあっては中々食育などを通じても浸透していないような気がしている。例えば、トランス脂肪酸については、3月に食品安全委員会の健康影響評価がわが国の通常の食生活では健康への影響は極めて小さいことを改めて明らかにしたところである。しかしその後の食品表示一元化検討会の意見交換会などでもトランス脂肪酸の表示義務化を話題にする一部の方々がいる。やはり、科学的根拠に基づく冷静な判断で、行動が求められる時期にあるのではないかと考えている」と指摘した。
 さらに、「今年、わが国のGDPがプラス成長が見込まれていることは明るいニュースである。しかしわが工業会は、マーガリン類などのJAS規格の見直しや食品表示一元化などの課題、FTAやTPPなどの国際的な動きに注視して、変化に適切に対応していくことが求められている。また、電力節減対策にも引き続き積極的に対応していかなくてはならない。それら課題を通して、わが工業会として一番肝心なことは食の安全・安心と安定供給、そしれユーザーや消費者の顧客満足度を追求することが基本であることは言うまでもない」と強調した。
 その後、大池弘一副会長が乾杯発声を行い、懇親会に入った。