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油脂未来研究会が油の花フォーラムを開催

 全国油脂販売業者連合会の若手メンバーで構成する油脂未来研究会は11月16日、都内で第6回油の花フォーラム 2nd Stageを開催した。今年度より「油脂販売のエキスパートを育てる」ことをテーマに研修を計画しており、前回の開催から約1年半ぶりとなった今回は、日本イタリアオリーブオイル協会代表理事でASIO認定オリーブオイルソムリエの長友姫世氏を講師に招き、イタリアオリーブオイルの基礎知識とテイスティングについて学んだ。
 フォーラムの冒頭挨拶で同研究会の木村顕治会長は、今後の研究会の方向性について「先週末に油脂未来研究会の役員会を行い、油を買うならやはり油屋さんからといわれるように変えていきたい。1st Stageで行った油脂の基礎に関する勉強を継続的に行うことをまず決めた。さらに深い知識を学ぶ2ndステージを年に数回定期的に開催していく。学んだ知識を活かして、いかに販売していくか。良いものを食べて頂けるように活動を広げていきたい」と語った。
 フォーラムでは長友氏からオリーブの品種やオリーブオイルの製造、分類、そしてイタリアにおける格付けやイタリアオリーブオイルの特長、保存方法などについて学んだうえで、AISOのメソッド・チャートを用いて実際に4種類のオリーブオイルのテイスティングを体験した。

 オリーブの品種は、イタリアだけで、2008年時点で公式登録されているのが472種類あるが、研究途上にあり800種類以上はあるといわれている。特定の品種の特長や、そのオリーブオイルがどのような料理に合うのかといった研究が進められており、単一品種だけを搾ったオイルも作られるようになってきている。オリーブオイルの品質を決める重要な要素には、気候や土壌、畑の向きといった環境の見極めや、木の仕立て、剪定、手入れといった栽培技術、品種そのもの、また、収穫時期と方法、輸送、搾油、保存などの人的要素が大きく関わることなどを長友氏は説明した。

 「イタリアでも極一部だけでしか消費されない希少な単一品種もあり、オリーブオイルの世界は知れば知るほど深い」と長友氏。今年もほぼすべての州を周ったそうだが、「今年はどの州も生産量がガタ落ちで、場所によっては半分以下、30%しか収穫されなかったところもある」という。そのため、価格が跳ね上がるのではないかとイタリア国内では危惧されているという。
 長友氏は「年によって状況が変わるのでオイルのできも違ってくる。コンテストで金賞を受賞といってもその年のオイルが良いということであり、次の年は例えばオリーブバエが発生して欠陥品質ということもある。そういうものに惑わされないように、消費者の方も販売される方にも気をつけて欲しい」と語った。